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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇制度的権威と人格的権威

  人を動かして物事を進めていくための力として、よりどころとなるものが二つあると聞いている。役職や立場から職権といった形で人を動かす制度的権威と、自分を磨き人間関係を築きながら人間性で人を動かす人格的権威である。

 制度的権威に頼るのも、時には必要なことがあるのかもしれないが感心しない。人事や給与といったことを握っている、あるいは関与できるといった強い立場で相手の意をくむことなく動かそうとすると、心服することもなく、いい結果を生まないだろう。以前私をこの権威をもって動かそうとした人がいたが、この方とは今もって心の通じ合うことがない。

 教師が生徒を指導する場合でも、制度的権威に頼らない心がけが大切である。通信票や進学といったことを口にしながらでは管理職が勤務評定や異動といったことを口にしながら職員を動かすのと全く同じことになる。この方法では自己の力量を向上させることもできないし、いい学校をつくることもできないだろう。

 現職教育では日常の教育活動に直結するような研修が多いのだが、人格を磨くといった内容があってもいいのではなかろうか。古典の輪読会をしたり、座禅を体験したり、仏法僧の説教や立派な人物の生き方をお聞きしたりといったことを組み込めば、より新鮮なものができるだろう。人格的権威で人を動かし物事を進めるようでありたいものだ。  (2012.2.16)