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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇携帯電話(1)…世の中に闘いを挑まなくては

 足利西中の携帯電話所持率は、62%(平成20年7月調査)だった。34%の学校(北中、平成20年11月調査)もあるので、かなりの高率である。

 職業人でもない中学生に、携帯電話は必要ないと考えていても、抗しきれずに与えてしまうのだろう。「子どもを非行にする10ヵ条」には、「子ども部屋に電話を設置することは子どもを非行にする理想的な環境」との記述がある。親に知られずに外部と連絡を取ることができるし、居ながらにしていろいろな情報が収集できるからである。携帯電話を持たせることは、子ども部屋の電話以上に子どもを非行にする環境を提供することになる。

 石原慎太郎東京都知事は教育委員との懇談会の折、「久しぶりにヨーロッパに長期滞在したが、どの国においても中学生や高校生の年齢の子どもが携帯電話を持っているのを見かけなかった。知人に聞いてみると、価格からしても、その料金(使用料)からしても、与えられる小遣いでまかなえるものではなく当たり前だ」と言われたという話を聞いたのだそうだ。平成17年、足利市の青少年訪米団としてスプリングフィールド市を訪れたが、日本のような光景(食べながら、歩きながら、自転車に乗りながらの携帯電話など)を私も見かけなかった。

 片時も携帯電話を手放せない異常な実態や携帯電話を持ったがための悲しい結果に、嘆き苦しむ生徒や保護者が少なからずいることを思うと、手をこまねいていることはできない。何年かかるか分からないが、携帯電話所持率0%を目指して行動を起こしたいものだ。教師の我々がやらなくて誰がやるのだろう。鉄の意志をもってすれば何とかなるはずである。 (2012.1.13)