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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇道徳教育の見直し(1)…何を教わったか覚えていない

 道徳教育を50年以上もやっているのに、心の荒廃が叫ばれる状況になってしまった。道徳は道得(人としての生き方を学ぶ)であるべきなのに生き方を学べていない。道徳の授業で何を学んだか覚えていないという現実(高校教諭の調査)を思うと、道徳のあり方を皆で真剣に考えていくことは喫緊の課題である。戦前の教育を受けた人達の中には、修身で何を学んだかを今でも語って聞かせる人がいるのに、中学を卒業して間もない高校生が何を教わったのか分からないという現状を放置することはできない。

 道徳の授業が道徳的価値の追求に流され過ぎていることが問題と感じている。おいしい料理に使われた食材や調味料を解明し、それがどんなに大切かを確認してもおいしい料理の再現はできない。大切なのは調理(=生き方)である。我々は食材吟味のような道徳をやってきたのではないかと思っている。 

 道徳の授業が好きで得意であると語る教師に中学校で出会うことはほとんどないだろう。この逆ばかりである。調査をすれば明らかになると思うが、教師が好きになれない得意になれないということも問題と感じている。道徳の時間は楽しみと教師も生徒も感じるようでなくてならない。 (2011.10.3)