荒れた理由として伝わってくることはどこの学校も同じようである。指導を受け入れない何人かの生徒の存在(傍若無人な振る舞い)、学校攻撃と非協力の保護者や地域住民、小学校の学級崩壊の延長といったことが多いが、管理職を含めた教職員のあり方、学校体制を指摘する声は少ない。
荒れている学校では、校舎内外の廃棄すべき物品の放置と散乱、落書きや壊れた施設設備が目立ち、また、乱雑な教科の準備室や資料室は足の踏み場もないくらいの状態になっていることもある。荒れを克服するには、こんな状態の解消が最初に行われる取り組みになる。環境の整備は非常に重要である。秩序を破壊する傍若無人な振る舞いは関係機関と連携しての毅然とした対応で減らすことができる。
荒れを克服し、しっかりと教育活動が行われる学校にするには、教職員の指導体制が確立されなければならない。そのために重要なのは教職員の信頼関係と管理職の姿勢である。木に登らせて梯子を外すような管理職の下では指導体制は確立しない。
指導体制が整ってくると、徐々に学校が変わり出し落ち着きも取り戻す。そして、学校の考えや努力が理解されるようになり、学校不信の表れである苦情や抗議は激減する。また、荒れた理由として、生徒や保護者などが挙げられることもなくなっていく。教育環境は益々悪くなり学校も大変なのだが、学校が荒れている時は、学校が悪いのである。 (2011.7.25)