現行の中学校学習指導要領は2002年に完全実施された。ゆとりの中で特色ある教育を展開し生きる力を育むことがねらいだったが、どこの学校でも同じ指導要領で教育活動を展開するわけだから特色なんか出せないとの声を多く耳にした。
そして10年後の今、生きる力が育まれたかどうかを判断すれば、ねらいは達成されていないと言わざるを得ない。
特色ある教育の展開の意図するところは学校改革にあったと考えている。旧態依然として進取の気性がない、批判を恐れて突出を避けようとする、国民の負託に応えるという明確な意志がないといったことへの批判であり、また、そのような姿勢を廃して信念や勇気をもった主体性のある教育活動、生徒の実態や地域性などを踏まえた展望のあるねばり強い教育実践を期待したのであろう。
24年度から完全実施となる指導要領は、生きる力の育成、豊かな心と健やかな体の育成などをねらいにしているが、ねらいの達成のためには、現行と同様、特色ある教育の展開と着実な教育実践が非常に重要である。 (2011.7.16)