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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇思いはいろいろ

 新年度が始まると学校はとにかく忙しい。担当の学年や学級、教科の指導など、軌道に乗り落ち着けるようになるのは5月の連休明け頃だろう。

 新年度は気持ちを新たに意欲も高まる時であり、多忙ではあっても多くの教職員は充実した日々になる。人事や校務などに不満があり、すっきりしない気持ちがあれば上手に切り替えて解消してほしいものだ。最低最悪と評されるような管理職の下で働くような場合には、ストレスを溜め込むだけになってしまうことがあるかもしれない。

 学校花壇に咲き乱れる美しい花は来校者や教職員などの心を和ませてくれるが、花が美しく感じるのは伸びやかな気持ちがあるからだろう。希望がもてない暗い日々を送っていては美しいものも美しく感じないように思う。

 「死んでしまおう」なんて悩んでいたら、「バラもコスモスたちも枯れておしまい」島倉千代子「人生いろいろ」)といった気持ちになるかもしれない。新年度を迎えた教職員の思いはそれぞれだが、英気を養いつつ喜びをもって教育活動に励んでほしいものである。  (2024.4.11)

◇砂埃で前が見えなくなるような運動場は

 昨日は朝から嵐のように風が吹き荒れ家から一歩も出たくない気分だったが、用事で出かけることになった。途中学校の運動場に沿った道を通ると、視界を遮るように砂埃が道路を横切っていた。学校近くの住宅に襲いかかるように飛んでいく砂埃を幾度となく見ていた現職の頃を思い出した。

 学校から飛んでくる埃に悩まされていたのは一般の住宅だけではない。飲食店では営業の妨げになっていただろう。農作物のハウス栽培に支障が出るとハウスを撤去した農家もあった。

 運動場の砂が畑に入らないよう周囲のフェンスにトタンを張ったことがあったが、それだけでは不十分で、やはり水を撒かなければならない。

 運動場には体育の授業で使用するため水撒きを体育の教師がやっていたが、教師では時間に制約もあり十分にはできない。そこで、技能員にやってもらうことにした。施設設備の校務を分掌していたこともあり、技能員(足利北中)は新たな仕事を理解し引き受けてくれた。

 運動場が山林に囲まれていたり風下が川など、水撒きで苦労しない学校もあるが、ほとんどはそうではない。最近、高校や大学の施設で行われた試合を見る機会があり運動場を見させてもらったが、見事に整備されていて砂埃で前が見えなくなるようなことはないだろう。公立の学校であってもそんな状況を解消するため運動場の改修が必要である。  (2024.3.19)

◇青竹手打ちの看板を掲げたら

 隣のラーメン店からは今日も麺を打つ音が聞こえてくる。朝早くからいつものことではあるがご苦労なことと思う。

 青竹手打ちと看板を出している以上やらない訳にはいかない。店長によると、一人でできる製麺は70~80人くらいが限界なのだそうで、日曜日など客が多い日には早々と「本日完売」の貼り紙をし閉店となる。

 佐野ラーメンの店は、お客さんの長い行列ができることが多く、繁盛している店が多い。「青竹手打ち・佐野ラーメン」の看板を掲げていれば青竹手打ちのラーメンだと思って客は食べるだろう。

 ラーメン店の中には、手打ちの自家製麺であることをメニューに記載している店があるが、青竹手打ちの看板を掲げながらそうではない店があることを知っているからだろう。以前のブログで不正に道を譲ったらその代償は大きいと書いたが、牛肉偽装事件で廃業した雪印食品、食品偽装で廃業した食品加工会社のように不正はやがて明らかになる。佐野ラーメンなら許されるということもないだろう。

 青竹手打ちの看板を掲げるからには、青竹手打ちの麺を提供しなければならない。看板に偽りありの店は、大きな問題になる前に改善すべきだろう。アメリカだったら客に訴えられ生き残れないように思う。不正に対する多額の損害賠償、そして、懲罰的賠償も加わるかもしれない。「佐野に佐野ラーメンあり」、これからも多くの人に来てもらえるよう願うのはラーメン店だけではない。  (2024.2.26)

◇明るい未来を描けるといいが

 1月2月は教職員評価の期末面談があり、評価者(校長・教頭)はかなり忙しい日々だろう。現職の頃を思い返すと、教職員の空き時間等に合わせて面談を組むので毎日がせわしないといった感じだった。教職員評価の導入前には卒業式の式辞も今頃は出来上がっていたのに3月になってしまった。

 行動規準表は、今では能力・行動自己評価シートと目標・成果自己評価シートの2枚になった。能力・行動自己評価シートの行動規準(教諭)は34項目なので2割くらい少なくなり、目標・成果自己評価シートでは意欲・態度欄がなくなっているので、学習指導、児童・生徒指導、参画・経営の3評価となり自己目標も少なくなる。

 能力・行動自己評価シート(12月1日・評価基準日))の評価は終わっていても目標・成果自己評価シート(2月20日・評価基準日)の評価はこの時期になり、教職員の人数にもよるが評価者はかなり大変だろう。

 現職の頃は評価が給与に反映されなかったが、能力・行動評価が昇給(昇給号給数の上乗せや低減)に、目標・成果評価が勤勉手当(成績率の上乗せや低減)に次年度反映される。さらに評価結果は人事や表彰などにも活用される。能力・行動評価の総合評価がA(40%以内)やS(10%以内)、あるいはDになるか、目標・成果評価の総合評価がA以上になるかDになるかなどは被評価者にとってきわめて大事なことである。教職員評価は評価者に相当な緊張を強いることだろう。

 平成21年度より教職員評価が本格実施となり、それまでの勤務評定が廃止された。管理職が一方的に評価するものではあったが、そのことで否定されるものではない。教職員評価の能力・行動評価でも面談がない。

 勤務評定と教職員評価の両方を経験した者として感じていることは、現在の制度はかなりの改善が必要ということである。能力・行動評価の行動規準には目標・成果評価のように評価基準を設定しないので、評価者も被評価者もそれぞれの思いで評価することになる。評価の根拠を示せと言われたら双方示すことは難しいだろう。

 本県の教職員評価導入に深く関わった東電の元副支社長(栃木北支社)の部下だった方に当時話を聞いた。東電では、10数年の歴史があり具体的な取り組みを評価するので、難しいことはなく、みんなが受け入れているとのことだった。目標は4つ、多い人でも5つということなので、教職員評価は具体的でもなく多過ぎる。  (2024.1.28)

◇混合名簿にする必要はない

 来年度、男女別の生徒名簿を混合名簿にすると市内の教職員(私立学校)が話していたが、名簿についての個人の見解などは語らなかった。名簿を混合にする必要はないと考えていたので、今まで男女別ならそのままにした方がいいのにとの思いになった。

 過去のブログ「生徒名簿(2)…調査結果」で、足利北中の混合名簿を男女別名簿に変更(女子が先、男子が後、平成17年度)した後に行った教職員調査(平成19年7月)を紹介した。男女別名簿の方が使い易い。今後混合名簿に戻す必要はないと大多数の教職員が答えていた。

 混合名簿を男女別名簿にするために教職員調査(足利北中、平成16年11月)を以下のように行ったが、混合名簿のままでいいが30%、混合名簿のままでいいのか男女別名簿に戻した方がいいのか分からないが30%だったことを思い起こせば来年度から混合名簿にする学校があっても何ら不思議には思わない。

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「生徒名簿についての調査結果」

男女別名簿から混合名簿にして6年程経過しました。今後についてお聞きします。 (※ 校長・教頭を除く23名)

♢このままで良い(7名)
♢元に戻したほうが良い(9名)
♢分からない(7名)

混合名簿にしてどうでしたか。

☆良くなったこと
・男女を意識せず、成績、順番等を決めたりすることができるようになった。
・生徒が名簿を見た時、男女の区別がないので、クラス全員という意識を自然にもてるようになった。
・皆平等
・男女を区別(?)しなくなった。(配布物を配る時、集める時、仕事の分担、…)
・男は先、女が後、という考えが少しは改まった。

★悪くなったこと
・名前の呼び方で、男女で分かりづらい(覚えてしまえば問題ないのですが)ものがあり、君、さんのつけ間違いをしやすいことがある。
・事務的なことが、非常にやりづらくなりました。
(差別と区別は全く違います。混合にこだわるよりも、もっと互いの性を理解し、男女でその特性を理解し互いに分かりあい協力していくような指導に力を注ぐべきです。)
・男女別で考える時は、マーカー等でチェックが必要である。
・名前で、男女の判別が難しい生徒の場合困ることもある。
・男女別の人数がすぐ分からない。名簿を見ながら、グループをつくる時見ずらい。
・事務処理は以前より面倒になったと思う。
・混合になってから、区別してあると便利なこと(名札等をつくるとき)もあったなあ~と思いました。なので、戻しても良いと思っています。
・健康診断の結果集計は、従来どおり男女別なので男女別名簿を作成している。歯科検診以外は、男女別に行なっているが、来年は歯科も男女別に行うつもりである。(人権上の配慮から)
・名前だけ見て、性別が分からないことがありました。
・事務処理を間違えてしまうことがある。
・名前を呼ぶ時、男女(君、さん)を間違えて呼んでしまい、いやな思いをさせてしまったことがあった。
・男女が分からないので、事務処理を間違える時がある。進路関係ではとても分かりにくい。また、名前を呼ぶ時、間違える時がある。
・事務処理が大変になった。前任校では、特に3年生は男女別名簿があって便利だった。
・保健関係などで男女別名簿をつくる時、順番もれがでる。
・男子とも女子ともいえない名前が増えてきた。(呼名、成績処理のコンピュータ打ち込み間違えが出る。)
・男女共習でない授業の名簿、保健関係、卒業式の座席
・男女が分かりづらい。(真貴-まさたか? まき?)
・名簿を2種類作らなくてはならないので、大変だと思います。
・名簿を読むとき、性別が分からない場合がありました。

*その他
・前任校でも混合名簿をずっと使用していたので、特に違和感はありません。
・慣れてきたのでそういうものかと感じています。
・良いか悪いか分からないが、自分も生徒もそれほど違和感なく使っている。
・教科(体育、技術家庭等)で男女別授業が展開されている。ならば混合は必要としない。また、混合の効果がはっきりしているならば、それも良しと思う。男女平等の効果が上がっているならば、このままで良いと思うが。 
・数学担任として名簿を使う分には、別に困ったことはない。良くなったことと聞かれると別に浮かばないが、今のままでいいと思います。養護の先生は、いろいろと困るのではないか。でも、コンピュータで男女別名簿にすぐ変換(その逆もできる)できるので、大丈夫なのではないか。(直接話を聞いてみないと分からないが)
・混合名簿にした当初は、かなり抵抗があったが、今は慣れてあたり前のようになってきた。
・もとに戻すわずらしさがある。混合名簿は特に良いと思っていないのだが。北中だけ戻して、他校との兼ね合いはどうなのか、不安もある。6年前に、もっと大きな声でNOと言うべきだったと反省しています。
・男女が混ざっていて違和感がなくなった。保健の検診や体育の授業では、男女別が便利なこともあるのではないでしょうか。
・名簿を改良し、男女が分かるような表示を入れる。(男またはM,女またはW)男女別習があって、必要ならば男女別名簿があってよい。

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 混合名簿については教育長(故人)が何度も言及したようで、某校長は混合名簿にしない訳にはいかないと語った。当時は仕方がないと思ったが、いずれ自分が校長になったら男女別に戻すとの気持ちを固めた。

 「仕事の面で深く傷つき悩んでいる職員がいれば、その人のために真っ先に役に立ちたい。いじめに苦しんでいる生徒がいれば、いじめ解消に全力を投入したい。不都合を感じている人がいるなら、そういう人を先ずなくさなければならない。わずかでも事務等を減らし、その分を教育活動に注いでいけるようにすることは非常に大切と常々考えており、是非とも男女別名簿にしたい」と思いを教職員に訴えた。  (2023.12.30)

◇いい国見ができた

 栃木市剣道連盟の山形遠征稽古会(11月4日・5日)に参加させてもらった。新型コロナの流行で木更津遠征以来中断していた5年ぶりの遠征である。村田JCTから山形自動車道・月山道路・日本海東北自動車道を利用して目的地酒田市に到着したが、道中の紅葉は美しく滅多に見られるものではない。

 稽古会は交剣知愛、和気藹々とした雰囲気の懇親会には交流を続けてきた繋がりの強さを感じる。観光場所はその都度変えているが、最上川船下り、致道博物館、山居倉庫、羽黒山神社、鴨や白鳥の群れなど、家族に見せたいと思った。

 あっという間に予定した観光も終え、毎回利用する国見サービスエリアに到着する頃にはいつもながらいい国見ができたという気持ちになる。国見サービスエリアは上り下りともきれいに改装され非常に気分がよかった。

 以前のブログ「生徒指導(29)」で、男子トイレの小便器には仕切り板が必要と書いたが、国見の小便器は隣の人の顔も見えないくらいの仕切り板が設置されていた。利用者の評判は上々だろう。学校のトイレも国見のように改修したなら男子生徒が小便器に覆い被さるように近寄って用を足すこともなくなるだろう。  (2023.11.25)

◇不登校Ⅳ…理解は進んでいない

 滋賀県愛荘町で開かれた首長会議(10月17日、知事と県内市町の首長が参加)での小椋正清東近江市長の発言が物議を醸している。発言(「不登校の大半は親の責任」、「フリースクールは国家の根幹を崩しかねない」など)は信念を感じさせるが、不適切と感じた人が少なくなかったのかもしれない。市長は不登校の保護者やフリースクール運営者への配慮を欠いたと謝罪した。

 10年程前になるが、ブログを読んだ方に以下のようなコメントをいただいた。不登校には親だけでなく子どもも苦しんでいるのが実態である。

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 14歳不登校児の母

不登校で検索していて辿り着きました。
涙が止まらず泣きながら読ませていただきました。
母親の私が信じて守ってあげるべきなのに、今まで悩み辛く苦しくて、きつい言葉や感情をぶつけ、娘を責めて傷付けてました。
娘が悩んでいるのを分かっていたし、本当は優しくて素直で繊細な子だって私が一番知っているのに。
守ってあげなければダメですよね。

心の重りが取れました。
今日からは笑顔で頑張れます。
ありがとうございました。
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 以前のブログ不登校(1)…不登校を理解する」に記載した不登校の状況(2006年度)に比べ大幅に増加した現在の状況には驚かされる。不登校の理解が進んでいないので適切な対応ができていないと考えるべきだろう。


 不登校児童生徒の年度別推移

                                    小学校           中学校
2006年度…    23,825人(0.33%) 103,069人(2.86%)
2007年度…    23,927人(0.34%) 105,328人(2.91%)
2008年度…    22,652人(0.32%) 104,153人(2.89%)
2009年度…    22,327人(0.32%) 100,105人(2.77%)
2010年度…    22,463人(0.32%)  97,428人(2.73%)
2011年度…    22,622人(0.33%)  94,836人(2.64%)
2012年度…    21,243人(0.31%)  91,446人(2.56%)
2013年度…    24,175人(0.36%)  95,442人(2.69%)
2014年度…    25,864人(0.39%)  97,033人(2.76%)
2015年度…    27,583人(0.42%)  98,408人(2.83%)
2016年度…    30,448人(0.47%) 103,235人(3.01%)
2017年度…    35,032人(0.54%) 108,999人(3.25%)
2018年度…    44,841人(0.7%)  119,687人(3.65%)
2019年度…    53,350人(0.83%) 127,922人(3.94%)
2020年度…    63,350人(1.0%)  132,777人(4.09%)
2021年度…    81,498人(1.3%)  163,442人(5.0%)
2022年度…105,112人(1.7%)  193,936人(5.98%)     (2023.10.27)